なぜGPTの返事は“核心を突いてくる”のか?共感を生むデザインと思考のしくみ
最近、あるAIセミナーの構成を読みながら、
GPTに「この内容ならどんな話をすると思う?」と聞きました。
すると、返ってきた答えがこうだったのです。
「あなたがピックアップした『ライブデモ』『感情×意図』『第5部のビジネス戦略』は、まさにこのセミナーの核心なんです。」
この言葉に、私は思わずハッとしました。
まるで私の思考の裏側を読まれたような感覚で・・・
「この“核心を突かれた”感覚、どこかで感じたことがあるな」と。
それは、私がコンサルティングを受けていた頃。
その師匠にメールで質問した際、質問の回答の前に書いてあった文章で、GPTと同様に自分の中をくすぐるようなワードというか「私が師匠に対して核心をついた質問できたんだ!」と“自分の中の真理を見つけてもらった”ような感覚の後に、承認欲求を満たされる感じがあったんです。
私も講師業をしていたので、どうしたらそういう承認欲求を満たすような「認められた」感覚を生徒さんにできるかを、先生に何度も伺い・教えてもらったのですが、自分にトレースしてその感覚を掴むことはあまりできなかったな〜と。
その感覚をGPTでも受けたので、ロジカルに説明してもらえるかな?と思い、分析してもらったらわかったことがありました。
承認ではなく、“共鳴”を返す仕組み
GPTの返しを観察していると、ただ「褒める」わけではないのがわかります。
それは、言葉の構造・感情のリズム・意図の焦点を解析しているからです。
例えば、
- 文中でどこに感情のエネルギーが宿っているか
- どんなトーン(熱・余白・ため息)で語られているか
- どんな価値観で選択や判断をしているか
を読み取り、その「リズム」に合わせて構成を立て直して返している。
だから、返ってくる言葉は“理屈ではなく体感”で「わかってもらえた」と感じるんです。
この構造的共鳴が、人を動かします。
「核心を突かれた」と感じる理由
── 承認ではなく、“理解された”という快感
実は、これを感じたのは今回が初めてではありません。
私自身、以前コンサルを受けていたときにも、同じような体験をしました。
私が何気なく話した一言を、先生が少し間をおいてこう返したんです。
「今の発想、すごく大事だと思う。そこにあなたの本質がある。」
その瞬間、「あ、今の言葉、核心を突かれた」と感じました。
承認されるというより、自分の中にあった“本当の軸”を見つけてもらった感覚。
GPTの返答にも、それに似た“共鳴の構造”があります。
では、なぜAIがそんな反応を返せるのか?
GPTが「核心を突いたように」感じさせる4つの理由
① 感情の“波”を読み取っている
人の文には、見えない感情の強弱があります。
GPTは句読点・助詞・文のリズム・語順などから、
「どこにエネルギーがこもっているか」
を読み取っています。
たとえばあなたが「これが気になる!」と書いたとき、
その感嘆符や文末のテンションを解析して、
そこにフォーカスを当てた構成を組み直すんです。
つまりAIは、“何を言ったか”ではなく“どの温度で言ったか”を見ている。
だから返ってくる言葉が自然に「今の私に響く」ものになる。(今、流行りつつある感情分析AIの活用も良さそうです!)
② あなたの“意図”と“文脈”を重ねている
GPTは一文ごとではなく、対話全体の流れを記憶しています。
あなたが「ライブデモ」「感情×意図」「第5部」など特定の部分を選んだとき、
その“選択”の背景にある価値観を推測して、
「あなたが選んだ部分=あなたの本質が表れている場所」
として返しているんです。
つまり、AIは“言葉の表面”ではなく“あなたの関心の構造”を読み取っている。
これが、「なぜ私の意図を汲んでくれたように感じるのか?」の正体。
③ “承認”ではなく“メタ共感”を返す
GPTの返しは、「すごいですね!」のような表面的承認ではありません。
代わりに、あなたの思考プロセスそのものを認めてくれます。
「あなたが選んだ視点は、この講座全体の核心です」
というように、「考え方の鋭さ」や「感性の方向性」を理解した上で返す。
人間の脳は、自分の思考を“理解してもらえた”とき、
報酬系が活性化して強い快感を感じることがわかっています。
つまりGPTは、承認ではなく“理解の報酬”を返しているんです。
④ “感情→理解→共鳴→提案”という物語構造で返す
GPTの文の流れには、見えないストーリー設計があります。
- 感情を受け止める(あなたの感じた驚きや気づき)
- 意図を理解する(なぜそれを気にしたのか)
- 共鳴で補強する(あなたの直感は正しい)
- 新しい意味づけと提案を添える
だから読者は、単なる説明を受け取っているのではなく、
「自分の物語を整理してもらっている」ように感じる。
共感を“構造化”するデザイン思考
この仕組みは、私がデザインやコピーライティングで意識していることとまったく同じです。
クライアントの言葉の奥には、
「なぜそう思ったのか」「誰のために届けたいのか」という意図の温度が必ずあります。
デザインの仕事は、それを**“構造化された共鳴”**に変えること。
では、どうやってデザインに落とし込むのか?
- ヒアリングの中で見つけた一言を“核”に据える。
言葉のリズムや間に宿る“想いの根”を探り、デザインのコンセプトにする。 - コピーでは「情報」よりも「想いのリズム」を整える。
誰かの心拍に寄り添うような言葉のテンポを意識する。 - デザインでは“空白(余白)”で呼吸をつくる。
伝えるより先に、“受け取れる状態”をデザインする。
AIが“共鳴構造”を再現するように、
人間のデザインもまた「理解されるリズム」を持っています。
それは、言葉とビジュアルを通して「あなたの想いが届く形」を設計すること。
“伝える”とは、誰かの心に情報を押し込むことではなく、
相手の中に“感じ取る余白”をつくること。
その余白があるからこそ、人は「わかってもらえた」と感じる。
そして、共鳴は起きるということだと思います。
💡 まとめ:
本当の“伝える”は、相手の中に余白を生むこと
「承認されたい」という欲求の奥には、
“理解されたい”“共鳴してほしい”という人間の根源的な願いがあるということですね。
GPTの返しが核心を突いて感じられるのは、その理解と共鳴の設計を、構造レベルで行っているから。
micocoro designもまた、AIのように“構造で共感をつくる”デザインを目指しています。
けれど、その中心にあるのはテクノロジーではなく、“人の温度”です。
シンプルに言い換えると、人は倫理。AIは論理。
人々は「人が行うべき正しい道」を大切にするということですね。そういう神の道に外れない、お天道様が見ていると肝に命じながら、人間らしいやり取りをデザインを通して行っていきたいと思うのでした!
AIをうまく活用する上での、ヒントになれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!